犀星ブログ

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2018年 04月 20日

出汁でてます




個性の臭みが取れて、きれいに取った出汁のような美術が好きです。

「みせたい」や「見られたい」という顕示欲から距離をとって、表現を更新してゆく姿勢を自問自答しながら形にする。

そのような活動にのっとって、静かに形象化した美術のそばにいると、全速力で上がった息が平常のテンポに戻っていく一時のような弛緩と呼吸ができるような気がします。
激しい運動の後、体から上がる蒸気とともに、生気の入れ替えをするような心持がすることがあります。
あの時のクリアになってゆく感覚が、あるような気がするのです。

骨董の現場でも、セレクトすることの個性を「すじ」ということばで言いながら、鑑賞に一助にします。
すでに製造時から隔たり、時間が洗い出したもの物の潔く枯れてゆくことの傍で、人はやはり顕示欲を出しすぎているような気がします。

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# by saisei-kaji | 2018-04-20 19:53
2017年 03月 22日

期待と落胆とお祝い




繰り返す間違いや、失敗、ジレンマを飲み込んでいきながら、
わたしは何を得てきたのか、考えています。

すこしでもポジティヴで微笑みながら語ることのできる自分についての事柄をふやすようにしていこうと思いました。

期待して、次の日に期待して。
明日が嫌な日だなんて、まだわからないことだから。

物はこわれるし、体も壊れる。
おいしいものは食べたら、なくなる。
愛は冷めるし、友情は薄れるし、子供は大人になる。そういうもんでしょ
でもだからって、そういうものの一切合切がなくたっていいわけじゃないから、来るべきものが運ばれてくるように期待することなら、簡単にできるような気がするのです。
愛情を渇望しているようで、やりきれないですし、恥ずかしくなりますが

「「君が好きだよ エイリアン この星のこの僻地で 魔法をかけて見せるさ いいかい」」

って、言ってもらえるように

(友人の結婚をSNSでしりました。さみしかったなあ 笑)





ジョージ・カーリンという、コメディアンが宛てた手紙の翻訳をよんでいました。
自分のためのメモでもあり、明日のために。そして、結婚した大事な友人のために。

ーーーーーーー

ビルは空高くなったが
人の気は短くなり

高速道路は広くなったが 
視野は狭くなり

お金を使ってはいるが 
得る物は少なく

たくさん物を買っているが 
楽しみは少なくなっている

家は大きくなったが 
家庭は小さくなり

より便利になったが 
時間は前よりもない

たくさんの学位を持っても 
センスはなく

知識は増えたが 
決断することは少ない

専門家は大勢いるが 
問題は増えている

薬も増えたが 
健康状態は悪くなっている

飲み過ぎ吸い過ぎ浪費し 
笑うことは少なく
猛スピードで運転し 
すぐ怒り
夜更かしをしすぎて 
起きたときは疲れすぎている

読むことは稀で 
テレビは長く見るが 
祈ることはとても稀である

持ち物は増えているが 
自分の価値は下がっている

喋りすぎるが 
愛することは稀であるどころか憎むことが多すぎる

生計のたてかたは学んだが 
人生を学んではいない

長生きするようになったが 
長らく今を生きていない

月まで行き来できるのに 
近所同士の争いは絶えない

世界は支配したが 
内世界はどうなのか

前より大きい規模のことはなしえたが 
より良いことはなしえていない

空気を浄化し 
魂を汚し
原子核を分裂させられるが 
偏見は取り去ることができない

急ぐことは学んだが 
待つことは覚えず

計画は増えたが 
成し遂げられていない

たくさん書いているが 
学びはせず
情報を手に入れ 
多くのコンピューターを用意しているのに
コミュニケーションはどんどん減っている

ファーストフードで消化は遅く
体は大きいが 
人格は小さく
利益に没頭し 
人間関係は軽薄になっている

世界平和の時代と言われるのに
家族の争いはたえず

レジャーは増えても 
楽しみは少なく
たくさんの食べ物に恵まれても
栄養は少ない

夫婦でかせいでも 
離婚も増え
家は良くなったが 
家庭は壊れている

忘れないでほしい 
愛するものと過ごす時間を
それは永遠には続かないのだ

忘れないでほしい 
すぐそばにいる人を抱きしめることを
あなたが与えることができるこの唯一の宝物には 
1円たりともかからない

忘れないでほしい
あなたのパートナーや愛する者に
「愛している」と言うことを
心を込めて

あなたの心からのキスと抱擁は
傷をいやしてくれるだろう

忘れないでほしい
もう逢えないかもしれない人の手を握り 
その時間を慈しむことを

愛し 
話し 
あなたの心の中にある
かけがえのない思いを
分かち合おう

人生はどれだけ
呼吸をし続けるかで
決まるのではない

どれだけ
心のふるえる瞬間があるかだ

ジョージ・カーリン





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# by saisei-kaji | 2017-03-22 21:41
2016年 05月 07日

わすれがたみ




I try to say goodbye and I choke
I try to walk away and I stumble
Though I try to hide it, it's clear
My world crumbles when you are not near




涙は乾く


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# by saisei-kaji | 2016-05-07 23:15
2016年 05月 07日

京都ふるどうぐ市を終えて

この度も出店させて頂きました、第3回京都ふるどうぐ市。
関係者みなさま、大変お世話になりました。

ありがとうございました。なみなみならぬご尽力・ご配慮に最大の感謝と、昨年から一年ぶりに顔を合せるご出店の同業者みなさまのお仕事への謙虚な努力と姿勢に見習わなければならないものを多く感じました。

派手でなくても、目立たなくても、みんなに見てもらいたい、知ってもらいたい、楽しんでもらいたい、便利に使ってもらいたいと思うものをコツコツ集めました。



こんなに、自分に自信の無い私を励ましてくれる、同業者の方々の優しさにはいつもどうやって返そうかと・・・・

今年のふるどうぐ市に参加していて、とても思った事が一つあります。
ふるどうぐ市の「方言」のようなものができつつあるのかなと思いました。

「方言」というのは、ここではうまく通じるのだけれど、あちらでは全く通じないといった、表現の共通性のようなものだとおもうのですが、確かに骨董の世界の中で、ふるどうぐ市のなかだけで、とても良くわかるやり方があるような。そんな気がしました。
骨董の世界は、数百円のものから、数千万や億の値がつくものを商売にしておられる業者・商店・競り市がたくさんあり、お金も人も思惑も大きく動くある一業種なわけで。その世界は人や関係がつなぐ深淵な世界だと思っています。その中の一つである事を、過不足なく正当な評価をしなくてはならないと思いました。
大きい小さいでは無く、その島が創った方言がすべてにならないように、要心する事が必要なのではないかと思ってしまったのです。


骨董の世界では、ものは、すでに物ではなく、もっと神格化されたような概念的な存在でありながら、物そのものでしか価値を表現できない存在です。

雨が降るような湿潤な肌の茶碗、
地層を抜き出したような信楽、
透けるような鍋島、時代が刻まれた古木。何度も脱皮した鉄。
湿気が沁み入ったようなガラス
仏像のような微笑みのこけし

そのものに幾ら着けてお客さまの前に出す事が正しいのか、とくに取り決めもありません。
いくらである事は重要ではなくなってきます。

秦秀雄は「それを見た眼が詩人であった」
と、ものが宿した魅力か、見つけた人間によるものなのか解答しています。

私は、私が出して来たもので、あなたの詩情が呼び出せたら、とてもうれしいです。












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# by saisei-kaji | 2016-05-07 17:41 | その他
2015年 11月 27日

おちこぼれ



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なんてことないことを大事にしていて、人よりおちこぼれても、何か期待をこめて世界を見ていたいと思う。

抽象が具象よりリアリティをもつ時があります。
イマジナリーで実像のないものが胸のなかに棲んでいることが、ある種の救済でありますようにといつも思います。
秘められた目に見えない現実が(誰しものなかで、)密かな支えになっているのだと思いたいです。








冒頭の絵画作品:有元利夫







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# by saisei-kaji | 2015-11-27 02:50 | その他